スポーツホスピタリティは日本に根付くことができるか

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スポーツホスピタリティ
本場 イギリスでのスポーツホスピタリティはこんな感じです(ウィンブルドンにて)

世界的なスポーツイベントを上質な食事とともに楽しむ… ヨーロッパやアメリカではすでにおなじみのスポーツホスピタリティに、日本企業が参入するそうです。日本経済新聞のウェブサイトの12月30日付記事「ラグビーW杯観戦、食事やショーと英系企業提案」によると、2019年ラグビーワールドカップにてそのサービスがお目見えする予定とのこと。日本ではまだまだ聞き慣れないこのスポーツホスピタリティ、はたして今後日本に根付くのでしょうか?

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「スポーツホスピタリティ」とは

「スポーツホスピタリティ」とは、観戦券に試合前後の飲食、試合に関するトークショー、エンターテインメントなど様々なサービスを組み合わせたプログラムのこと。一般的には「ホスピタリティ=おもてなし」と訳されますが、東京オリンピックが決定した時にトレンドワードとなった「おもてなし」とはちょっと意味合いが違います。

1993年に初めてウィンブルドンにてこのスポーツホスピタリティと出会い、それ以後前在籍会社から引き継いでスポーツホスピタリティと付き合ってきた筆者にとっては、「スポーツは単に観戦するだけのものではなく、食事や会話を楽しみながら観るもの」であり、現在もテニス、ゴルフ、ラグビー、Formula 1など、誰もが一度は観てみたいと思う世界中のスポーツイベントのホスピタリティ・パッケージを販売しています。どのようなものかは、ここで文字を連ねるよりも以下ページにて内容をご確認いただくのが一番だと思いますので、ご覧ください。

日本人には馴染まない?

普段からスポーツホスピタリティ・パッケージを販売している当社ですが、実情はなかなかご理解頂けません。なぜなら、お問い合わせの半分以上は「観戦チケットだけ購入することは出来ますか?」という、スポーツホスピタリティは不要というような内容がほとんどだからです。はたして、このような状況で観戦と食事と会話を楽しむスポーツホスピタリティが今後日本で根付いていく(=観戦スタイルとして定着する)ことが出来るのでしょうか?

筆者が考えるこの答えは、「現時点では」という限定ですが、 “No” です。それはなぜでしょうか?

理由その1

海外でのスポーツ観戦に限ってですが、近年旅行でも「お一人様」が増えてきたことが挙げられると思います。当社でも、テニス観戦など1名での申し込みが増えてきました。その「お一人様」が、現地のホスピタリティ・ラウンジで周りの人たちと食事や会話を楽しみたいと思うでしょうか?おそらく、食事はイベント会場内(スタジアムなど)にあるイート・インやレストランで簡単な食事を済ませ、あとは観戦に没頭するスタイルなのだと思います。

理由その2

日本においては観戦は観戦、その後打ち上げ的な意味合いで別の場所へ食事に出かけるという人が多いということです。プロ野球の観戦スタイルを想像してみて下さい。けっして「お一人様」ではないのですが、同じファン同士で声をからして観戦したのち、試合終了後居酒屋などでその日の試合についてあれこれ語るというのが一般的ではないでしょうか?

時間的な制約もあると思います。国内の場合、たいていのスポーツはナイトゲームが多く、またスタジアムは都心から少し離れたところにあるため、終電の時間を気にして試合終了後一目散に帰宅する人が多いですね。海外でもナイトセッションの試合終了は夜中になることがしばしば。

それなら試合後にあれこれ語るより、試合を見ながらその場で食事を楽しみつつあれこれ語るほうが良いと思うのですが、残念ながら日本ではこれまでそういった施設がほぼありませんでした。その意味では、2019年ラグビーワールドカップでお目見えするスポーツホスピタリティの施設は大いに期待できると言えるでしょう。

理由その3

海外において、スポーツホスピタリティの場は社交的意味合い、あるいはビジネス・コミュニケーションの場であるということ。日本ではまだ、スポーツ観戦をしながらビジネスの話をするといったスタイルは定着していません。これも今後に期待というところでしょうか?

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だからこその期待

上述の通り、現時点では日本人には馴染まないであろうスポーツホスピタリティですが、言葉の制約がない日本で始まれば、少しずつこの観戦スタイルが日本国内でも広がっていくものと思われます。2019年ラグビーワールドカップに続き、おそらく日本で行われる世界的スポーツイベントで、このスポーツホスピタリティが浸透していくでしょう。

今後、スポーツホスピタリティは確実に世界のスポーツ観戦のスタンダードスタイルとなっていくことが予想できます。今でも上述の各スポーツイベントにてこの観戦スタイルを体験することが出来ますので、是非一度世界の観戦スタイルをご体験ください。

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