インターネットで、航空券やホテルを便利に予約できるようになりましたが、そのために様々な落とし穴があることをご存知でしょうか?
最近、利用者がこのことをよく理解していないため、せっかくの旅行が台無しになってしまった事例が当社にて複数ありました。
その事例を取り上げながら、何が落とし穴かをご案内します。
落とし穴1:エコノミークラスにはたくさんの予約クラスがある
事例1として取り上げるのは、航空運賃についてです。
当社がご案内している海外乗馬ツアーに、日本発着の航空券を加えたオーダーメイドの旅行としてお見積りしました。
見積もりから1週間ほど経ってお申し込みをいただいたのですが、変動制の航空運賃のため、旅行費用が1人当たり50,000円ほど変わってしまいました。
その結果、参加する人全員の了承を得られず、やむなく旅行を中止した、という事例です。
その間、たった1週間!
しかし、1週間あればピーク時の航空運賃はガラッと変わります。それはなぜでしょうか?
今でも、旅行といえばパッケージツアーしかないと思っている人が多いのか、料金は一度提示されたら一切変更はないと思い込んでいる方が、あまりに多いようです。
当社ウェブサイトでご案内のように、旅行には大きく分けて2通りあります。
一つはいわゆるパッケージツアー(募集型企画旅行)、もう一つはオーダーメイドの旅行(手配旅行、又は受注型企画旅行)です。
前者は、巷でよく見かける旅行パンフレットに書かれている通り、旅行会社が予め航空座席やホテルを仕入れ、仕入額にあわせて決まった料金にて旅行を販売するものです。予め仕入れ、というのは、座席やホテル客室が確保されているということ。
一方、オーダーメイドの旅行は、旅行者のニーズに沿ってひとつひとつプランを提案し、それに合わせて旅行費用を見積もったのち、利用者が了承の上契約します。パッケージツアーとは違い、契約前ですので航空座席やホテルはまだ手配されていません。
当然です、契約前でパスポート通りの名前も伺っていないのですから、手配のしようがありません。
そして、オーダーメイドの旅行は、見積もり時と全ての手配終了時で旅行費用が変わることがあるということです。
その代表的なものが、航空運賃。
各航空会社それぞれに、ご利用条件ごとに運賃が設定されています。例えば、欧州線のエコノミークラスなら、10クラス前後設定があります。
ご利用条件とは、有効期間、予約時期、発券時期などです。早期に予約して即発券するなど、より厳しいご利用条件の予約クラスほど安価です。当然ながら、安価な順に満席になりますので、間際の手配は割高です。
つまり、航空座席の空き状況によってお安い運賃から満席になって行き、気がついたらノーマル運賃にほど近いくらい航空運賃が高くなっていた、という状況が発生します。
実際に座るのは、みんな同じエコノミークラスなのに、です。
落とし穴2:予約金(デポジット)と取消条件にご注意
事例1に関することとして、もう一つ大事なこと、取消料金について説明します。
これも、パッケージツアーに慣れてしまっている日本の弊害のひとつです。
パッケージツアーは、出発の1か月前まで取消料がかかりません。
だから、安易にわずかな申込金を支払ってパッケージツアーを申し込み、1か月前より少し前に簡単にキャンセルします。その時は、まだ取消料対象期間ではないので、申込金も全額返金されます。
ところが、海外乗馬ツアーのような海外で造成された各ツアーは、日本の取消料とはまったく事情が違います。
申込時にはツアー費用の20~50%の予約金(デポジット)を支払わないと、予約が確保されません。
そして、パッケージツアーと決定的に違うのは、この予約金は一切返金されないものがほとんどだということです。つまり、
予約金(デポジット)=最低限の取消料金
なのです。何もなければ、この予約金は旅行費用の一部として充当されます。
さらに、ご利用日が近づくにつれて、ツアー会社が設定した通常の取消料が別途発生します。ツアーによっては、ある時期を過ぎると100%払い戻し不可、というものがほとんどです。
オーダーメイドの旅行にこのような海外発のツアーを含める場合、それぞれの利用機関(航空券、宿泊、海外発ツアーなど)ごとに取消料が変わります。それを全て見極めて、旅行を手配しなくてはなりません。
しかし、残念なことに、ネットにより航空券やホテルは簡単に手配できるようになった分、全ての取消条件を見極めながら、ということが出来ない事例が多いようです。
それぞれ訪れるウェブページが違うので、旅行会社のようにすべてを見積もり時に確認して、ということは、一般の旅行者には難しいのかもしれません。
落とし穴3:タイミングが大事
ネットで旅行を手配する場合は、タイミングもとても大切です。
事例2としてご案内するのは、当社ウェブサイトにてご案内しているスコッチウイスキー蒸留所めぐりのツアーです。
依頼内容としては、すでに航空券、宿泊など、お客様側であらかた手配は済んでいて、おそらくメインとなる「アイラ島ウイスキーツアー」のみ、当社に申し込みたいというものでした。
しかし、間際であったことと旅行のピークシーズンであったため、すでにこのツアーは満席となっていて、お断りせざるを得なかったという事例です。
基本的に、旅行は計画時に全ての希望を網羅して計画し、いざ申し込みとなったらそれぞれ利用機関の空き状況をほぼ同時に確認の上、一気に手配することが重要です。
それなのに、ネットで簡単な航空券とホテルは先に手配し、大事なものを旅行会社に後から申し込むというバラバラ手配は、どれかが満席、満室だと全てが台無しになります。
当社では、たとえ提示のものよりネット上でリーズナブルな航空運賃やホテル料金が掲載されていても、なるべく日本発着からすべての手配を旅行会社に依頼するほうが、結果として旅行者の利益となるべくご案内しています。
それは、一般の旅行客にはこの手配のタイミングがわからないから、旅行会社に全てを任せた方が安心・確実だということです。
また、逆だったらどうでしょうか?
先にウイスキーツアーを申し込んでおいたとしたら…。このツアーは申込時に全額支払いが条件です。そして取消の際は、時期により一定の取消料を差引の上返金されます。
申し込み時から取消料が発生する海外発のツアーを先に申し込んでおいて、いざ航空券を手配しようとしたらどの航空会社もすでに満席だったとしたら、どうなるでしょう?
せっかく楽しみにしていたスコッチウイスキー蒸留所めぐりの旅行も、航空券が満席のため中止せざるを得ません。
そして、その結果残ったのは、海外発ツアーの取消料を無駄に支払ったという事実だけです。
まとめ
旅行会社がなぜ必要とされるのか?それは、旅行のプロしか知り得ない情報や旅行会社でしかできないことがまだまだたくさんあるからです。
航空券やホテルの検索・申込サイトは、実はこれだけの落とし穴があることをご理解頂ければ、いち旅行会社として幸いに思います。
当社ウェブサイトでご案内の、以下の海外発ツアーは、出来る限り日本発着から当社にお任せください。
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