ネイヴェ|私が訪れたイタリアの最も美しい村々

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ネイヴェの葡萄畑

筆者自身が添乗員として実際に訪れた美しい村を紹介する第3回目はピエモンテ州クーネオ県ネイヴェ。トリュフの町アルバ郊外に位置する。「イタリアの最も美しい村々」協会では登録の各村にニックネームをつけており、この村のニックネームは「The perfume of wine」だ。

その名の通り、イタリアの2大ワインのひとつバルバレスコの隣にあり、ネイヴェも周りは葡萄畑に囲まれている。また村の名前は、この村を所有していた高貴なローマ貴族Naevia家に由来するのだという。

村は小高い丘の上に作られているため、中心までは緩やかな登り坂を上がっていく。その入り口の横にはきれいに整列した葡萄の木が並ぶ畑がある。一緒に歩いていたドライバーが畑に入り、その房から一粒もいで食べてみて、そしてもう一粒を筆者に渡した。人の畑から平気で果実をもいで食べるなど日本では考えられないが、ここはイタリアだ。口にすると、日本で日頃食べているものとは違う。加工(ワイン製造)を主とした生産なのだからそうかもしれないが、それでもイタリアにいることを実感する味だ。

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ワインの香りの村

どの村も初めて訪れた時の印象は天候に大きく左右される。秋晴れの爽やかな日にここを訪れ、宿泊こそしなかったが1日滞在した。そのせいか、自身の中ではかなり印象が良い村だ。

村はらせん状に道が通り、典型的な赤い屋根の家並みが続く。最初に目に飛び込んできたのは、ひときわ高い時計塔(Torre dell’Orologio)、この村のランドマークと言えそうだ。この村の様々な建築物で多用されている赤煉瓦のこの塔は13世紀のものらしい。

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続いて見えてきたのがサン・ミケーレ教会、バロック様式の塔が美しい。

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村の中心に役場が見えてきた。いつもの「美しい村」のロゴマークの旗が掲げられている。役場の建物も美しい赤煉瓦造り、そしてここが小高い丘の頂上だ。

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再び上がってきた道を下り、村全体を見渡す良いロケーションを探した。すると気持ちの良い木陰から葡萄畑越しに村の建物を一望できる場所があった。最も高い位置に時計塔、その左にサン・ミケーレ教会、そしてその手前に建つ建物がCastello di Neive、かつての貴族の館だ。「美しい村」の公式ウェブサイトによると、この館とサン・ミケーレ教会は同じ建築士によるものらしい。

どのロケーションで見ても、快晴の空をバックに赤煉瓦の赤と、バルバレスコと同じ土の葡萄畑の緑が良く映え、一幅の絵のようだ。

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Hotel CastelbourgとRistorante La Luna Nel Pozzo

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宿泊地から宿泊地の移動途中に立ち寄ったため、ネイヴェではホテルにお世話になることはなかった。20分もあれば村中を歩き回ることが出来るほど小さな村だ、宿泊施設もないだろうと思っていたが、役場のはす向かいに3っ星クラスのホテルがあった。Hotel Castelbourgだ。
事前の調査では、団体で宿泊出来るホテルがなかったため見落としていた。それもそのはず、ここは全7室しかない。他にも4~5室の小さな宿泊施設はあったので、個人旅行の際には宿泊するのも良いかもしれない。

昼食後ドライバーが筆者を見つけると手招きし、地元のブドウで造られた美味しいグラッパがあるから試飲してみろという。アルコール類には興味があるので誘われるままに試飲した。のどが焼けつくようなアルコール度数だが、食後酒としては最適だ。これもバルバレスコ種なのだろうか?

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バールのテラスで一休みしていると、コック姿の日本人女性が通りかかった。聞くとここで修業中なのだという。どこのレストランか尋ねたら、役場とHotel Castelbourgの並びのRistorante La Luna Nel Pozzoだとのこと。それなら昼食はそこで取ればよかったと後になって後悔した。

快晴の空と葡萄畑、赤煉瓦の時計塔と教会、地元のグラッパにこんな小さな村で懸命に働く日本人女性コック、ネイヴェにはまったくマイナス要素がない。願わくば次回はHotel Castelbourgあたりに泊まってみたいものだ。

追記 – 2017年11月14日

11月11日、BS日テレの人気番組「小さな村の物語 イタリア」で、ピエモンテ州バローロを紹介していた。

ネイヴェはバローロの隣村だ。

番組では、バローロでトップの評価を得た女性ワイン醸造家と小さな精肉店を紹介していた。すぐ近くまで訪れていながら、そういえばバローロのワインを飲んでいなかった。
もしネイヴェを訪れる前にこの番組を見ていたら、きっと時間を作ってでもこの2人の店を訪れたに違いない。

「イタリアの美しい村々」と「小さな村の物語 イタリア」は様々な意味でとても近しい存在だと認識した。

ネイヴェのフォトギャラリーは以下からご覧いただきたい。

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