テニスのグランドスラム、その最高峰はウィンブルドン。
テニスの聖地とされ、テニスを愛する人なら、一度はそのセンターコートでトッププレーヤーの試合を観たいと思うでしょう。
わずか16,000席ほどのセンターコートのチケットは入手困難なためプレミア価格で販売され、年々その金額は高額になっています。
ですが、本来ウィンブルドンのチケットはAELTC(The All England Lawn Tennis Club)が発行し、公式価格は最も高い最終日の男子ファイナルでも300ポンド(2025年10月現在の換算レートで約62,000円)程度。しかし、公式価格で買うことはほぼ不可能といってもいいくらい困難です。
この入手困難なウィンブルドンチケットの入手方法について、4つの方法をご案内します。
ウィンブルドンのチケット入手方法は4通り
現在、ウィンブルドンが発表しているチケットの入手方法は以下4通りです。
- Public Ballot
- The Queue
- Hospitality
- Debenture
このほか、当日のリセールチケットの購入がありますが、この方法での入手はほとんど不可能なため、今回は割愛します。
ひとつひとつ紹介していきましょう。
Public Ballot(パブリック・バロット、バロット)
1924年から始まった最も伝統的なチケット販売方法、いわゆる抽選販売です。
販売対象はセンターコート、コート1〜3の、いわゆる指定席となるショーコートです。
現在は、ウィンブルドンの公式アプリmyWimbledonでのオンライン販売となりました。希望者はアプリにてアカウントを作成すると、例年なら前年の9月頃、ウィンブルドンよりバロットの案内がメールおよびアプリに届きます。
案内に基づき応募するのですが、バロットを公平に保つため、
- 特定の日付、コート、または特定の座席のチケットをリクエストすることはできません
- 1世帯、1つの電子メールアドレス、および1つのウィンブルドンアカウントにつき1件の申し込みのみ
- バロットによって購入したチケットの転売・譲渡は禁止
という条件があります。
この方法による当選(購入)確率は公式には発表されていませんが、かなり低く、宝くじ並みと言われています。
パブリックバロットに関する詳細は、ウィンブルドン公式サイト「Public Ballot」をご覧ください。
The Queue(キュー)
ウィンブルドン名物のひとつ、大会中毎日並んでプレミアムチケットの当日券を入手するための購入方法。ウィンブルドンが発表している公式価格とほぼ同額で購入することができます。
ショーコートでなくても、ウィンブルドンの雰囲気を楽しみたい人向けの入手方法です。
販売対象は、センターコート(最後の4日間を除く)、No.1、No.2コートで、毎日500枚(2025年ガイドより)。
グラウンドチケットは、上記以外、かつコート3、12、18を含む全てのコートを見ることができ、かつセンターコート、No.1コートの試合を放映する屋外大型スクリーンを見ることができるThe Hillへもアクセスできます。
この方法、ただウィンブルドン会場へ赴いて並べば良いというものではありません。
まず、バロット同様ウィンブルドンの公式アプリmyWimbledonでアカウントを作成します。
入場したい日の当日(あるいは前日午後2時より)、Queue Villageにて入場待ちを整理するキューカードを発行してもらい、入場待ちの列にチェックインします。
開場前に、列の先頭からチケット販売をします。
Queue Villageとは?
地下鉄サウスフィールド駅から徒歩5分のウィンブルドン・パークにある、The Queueのための施設です。
この施設を管理するスチュワードが常駐していて、24時間体制でキューへの訪問者をサポートします。
キューカードが発行されたら、開場までビレッジでの行動は自由です。ほとんどの人は、観たい日の前日からチェックインし、キャンプして入場を待ちます。
ウィンブルドン・パークには、数多くの飲食店、給水所、応急処置施設のほか、トイレ設備、無料Wi-Fiもあります。
一晩を過ごした後は、午前6時にスチュワードが起こしてくれ、再び列に並びます。宿泊用具や大きな手荷物は、手荷物預り所へ預けることができます。
午前10時に開場し、キューカードの番号順にチケットが発行されます。
キューに関する詳細は、ウィンブルドン公式サイト「Queuing for Tickets」をご覧ください。
Hospitality(ホスピタリティパッケージ)
確実に観たい日のセンターコート又はNo.1コートのチケットを入手したいなら、ホスピタリティパッケージを購入することです。
複数ある専用クラブハウスでの食事を含むホスピタリティとチケットがパッケージされたもので、価格は非常に高額。
現在、ウィンブルドンと公式契約をしているKeith Prowse、及びここから販売許可を得ているホスピタリティ販売会社のみが販売しています。
当社でもこのホスピタリティパッケージを取り扱っていましたが、あまりに複雑かつ厳しい販売条件のため、2026年からはこのホスピタリティパッケージの取り扱いをやめることとしました。
Debenture Tickets(ディベンチャーチケット)
現在、一番公平で入手しやすいのが、ウィンブルドンを運営するAll England Lawn Tennis Ground Company(AELTG)が発行する債券を持つ人のみに発行される、ウィンブルドンのプレミアムチケットです。
ディベンチャーチケットは転売・譲渡が可能なため、債券を購入した人はこのチケットを転売します。現在ではダイナミックプライシングにより、予約のタイミングや人気が集中する日により価格は常に変動しています。
ただし、価格はホスピタリティパッケージ同様、非常に高額です。
ディベンチャーチケットには、以下が含まれます。
- CENTRE または NO.1 指定席チケット
アウトサイドコートは先着順でご覧になれます
(CENTREはNO.1,2を, NO.1はCENTRE,NO.2を除きます) - GUEST ARRIVAL HUBのご利用
GATE 4前にある 入場前の待ち合わせ場所として
専任スタッフの常駐、トイレの利用など - 専用ゲート(GATE 4)からの入場
- DEBENTURE INFORMATION POINTにてチェックイン
- 専用クロークルームの利用
- 専用レストラン、バーの利用
- 専用エリアでのフリーWi-Fiアクセス
専用レストラン、バーについては、センターコート、No.1コート別に、セルフケータリングや3コースランチ、カフェやバーなど、ディベンチャーチケットホルダーだけがアクセスできるエクスクルーシブな施設を利用することができます。
各レストラン、バーの詳細は、以下からご覧ください。

まとめ
入手困難なウィンブルドンチケットですが、販売価格が高いほど入手しやすく、公式価格ほど入手しにくいのが実情です。
ホスピタリティパッケージは、公式価格とかけ離れたチケット代を隠すため、食事などのサービスと抱き合わせにしたと言われています。
また、世界の主なスポーツは、単純にチケットのみを入手することが難しくなってきており、その代わりとしてホスピタリティパッケージが主流となりつつあります。
高額な金額を支払ってでも、ホスピタリティパッケージやディベンチャーチケットで、聖地と言われるウィンブルドンのセンターコートで観るか、それともウィンブルドンの雰囲気を味わうため、キャンプしながら当日券の入手し会場内を自由に見るかは、人それぞれでしょう。
フライトでは、ウィンブルドン・ディベンチャーチケットで、そのお手伝いをします。

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