うまいッ!ヨーロッパ添乗飯 4~モンタルチーノ(イタリア)

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モンタルチーノ

モンタルチーノの町並み

モンタルチーノ、というと何を想像するだろうか?

最初に出てくるのはブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、イタリアワインの女王と言われているワインだろう。

あるいは、オルチャ渓谷またはヴァレ・ドルチャだろうか?

世界遺産に登録されているから興味がある人は多いかもしれない。

筆者にとってモンタルチーノのイメージは美味い食事とワインの町だ。

これは宿泊したホテルの影響が大きい。

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ホテル・アル・ブルネッロ

モンタルチーノについては当社ウェブサイトでもスケッチツアーの様子を書いているので、合わせて読んでほしい。

モンタルチーノは上述の通り、ワインのための葡萄畑と世界自然遺産の糸杉の丘に囲まれた小さな町。特に美しい村に登録されているわけではないが、中世の町並みが美しく観光客が多い町だ。

イタリアの美しい村めぐりをシリーズとしてツアーに組み込んでいたため、村と村を結ぶルート上の起点となる宿泊地は美しい村と遜色がないところを選びたい。

その点モンタルチーノは、オルチャ渓谷周辺の美しい村を巡る拠点として申し分ない町だった。もちろんこの町もスケッチのモチーフがいたるところにあり、3泊して参加者にじっくりとスケッチしてもらった。

あいにく宿泊したホテルは旧市街まで歩いて行ける距離になく、ツアー中通しでハンドルを握ってくれたドライバーが、毎朝毎晩ホテル~旧市街間を送迎してくれた。

このホテルこそが、参加者はもちろん添乗員の筆者の舌をも魅了したホテル・アル・ブルネッロだ。

このホテルは近隣では評判の良いレストランとして知られているそうだ。

団体メニューではごく稀にちょっと冷めてしまった食事を出されることがあるが、初日は夜遅い到着だったにもかかわらず、冷えこんできた秋の夜に温かい食事を用意してくれた。

お歳を召した参加者が多かったので、最初に温かいミネストローネを出してくれるのはとてもうれしい。

ホテル・アル・ブルネッロの夕食1

トスカーナの秋はジビエの季節だ。

セカンド・ピアットはトスカーナ料理、ラグーソースのピンチ(太麺のパスタ)。自慢の一品らしい。

ホテル・アル・ブルネッロの夕食2

そしてメインは、ウサギ肉のブルネッロ風に小玉ねぎを添えて。

ホテル・アル・ブルネッロの夕食3

ガレッシオでもそうだったが、当社が企画するツアーでは、添乗員とドライバーは参加者とともに食事をする。

イタリア人のドライバーは、夕食時は心置きなくアルコール(ワイン)が飲めるとあって、日中以上に饒舌だ。ワインの正しい飲み方を参加者の前で得意げに語る姿が愉快だ。

ポルチーニ

滞在2日目の夜は、ホテルのオーナーがなにやら木箱を持ってきた。

見ると山盛りのキノコ、ポルチーニだ。

それもひとつひとつが大きな高級松茸ほどもある。

この日の夕食はこのポルチーニを使うと説明してくれた。それが、前日に続き温かいスープの後に出されたポルチーニのリゾットだ。

ホテル・アル・ブルネッロの夕食4

そしてメインは骨付き豚肉とトスカーナ風豆の煮込み。

ホテル・アル・ブルネッロの夕食5

全ての食事はここモンタルチーノのワイン、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノに合うように作られている。

到着した夜はわからなかったが、ホテルの前は葡萄畑だ。

毎朝ドライバーは参加者が集合するまでの間、その葡萄畑から勝手に果実をつまんで食べていた。

滞在3日目の夜もトスカーナ伝統の味だ。

スープはひよこ豆のトマトスープ、パスタはラグーソースのペンネ、メインはチキンピカタのトスカーナ風だ。

ホテル・アル・ブルネッロの夕食7
ホテル・アル・ブルネッロの夕食8
ホテル・アル・ブルネッロの夕食9

3晩通して食事した感想は、いずれも特段豪華な料理ではないが、日本から来た宿泊客のためにトスカーナ地方の特産を上手に使い、地元のワインに合わせた味付けとうまみが参加者や筆者の舌を満足させたのだと思った。

きっと日本で同じものを食べたら、ただ美味しいとしか感じられないだろう。

しかし、旅の飯は一緒に食事をした人たちとの会話やその場の雰囲気、料理を提供する人の人柄などでいくらでも味が変わる。

モンタルチーノでの味は、気さくなホテルのオーナーとのやり取りや、一緒に食事をしてその場を盛り上げてくれたドライバーのおかげだ。

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おまけ1 グループメニューでピザは出てこない

イタリアへツアーで訪れると、パスタ以外にやはりピザが食べたくなる。

しかし、グループで食事をする限り、ピザはほぼメニューに出てこない。

訪れる町や村のレストランの規模にもよるのだが、窯で焼いて出すピザを一度に何十枚も焼くことが不可能だからだ。

だからピザを食べたいなら、自由行動の時に限られてくる。筆者自身普段は自分で生地から作るくらいピザが好きなので、訪れた町や村で必ず1回はピザを食べる。

このモンタルチーノでも、参加者がスケッチに熱中しているときにひとりでレストランに入り、ピザを頼んだ。

モンタルチーノの赤ワインに合うのはチーズをふんだんに使ったクワトロ・フォルマッジ。これとスターターのトスカーナ風カナッペで大満足だ。

クワトロ・フォルマッジ

次の町、マッサ・マリッティマでは生ハムのピザに挑戦した。

生ハムのピザ

イタリア人は、ピザをセカンド・ピアットとしてパスタ同様メインの前に食する。

だが、日本人はピザを食べた後にメインを頼む勇気はなかなか持ち合わせていない。

ピザを食べたい時は一人でレストランに入らず、何人かでシェアするとそれ以外の料理も楽しめる。

おまけ2 カフェ・シェケラート

カフェ・シェケラート

イタリアへのツアーが毎年続いた頃、コーヒー好きの筆者はLavazzaのコーヒーにかなり入れこんだ。

これを単にエスプレッソとして飲むのではなく、エスプレッソとコーヒーの中間ぐらいの濃さに入れてアイスコーヒーにするのだ。

日本にいても毎日このコーヒーを飲みたくなるので、添乗の度にスーパーをめぐってはLavazzaの粉パックを大量に買い込んで持ち帰った。日本で購入すると税金がかなり加算され高級コーヒーになってしまうので、添乗のたびに買い込んでそれで1年を過ごすのである。

日本では自分で入れれば好みのものを作れるが、イタリア滞在中最初は何と言ってアイスコーヒーを頼めばよいかわからなかった。

しかも自分の好みのエスプレッソ並みに濃いコーヒーで入れたやつだ。

何とか氷を入れて冷たくしてくれと伝えたら、氷とエスプレッソをシェーカーで振ったものを出してくれた。

これは何というのかと聞いたら、カフェ・シェケラートだという。

泡立ったエスプレッソの苦みと甘みが口の中に広がり、冷たいので喉越しも良い。

以来、どこの町や村でもバールに入ったらカフェ・シェケラートを頼むようになった。

ただし、バールによっては砂糖を入れてシェイクしてくれるところもあるので要注意だ。イタリア人は必ず砂糖を入れてエスプレッソを飲むからなのだろう。冷たく苦みばしった喉越しに甘味はいらない。頼むときには砂糖抜きで頼みたい。

ちなみに、イタリアのバールではそれぞれ仕入をしているコーヒーメーカーの看板を掲げていることが多い。

日本でも良く聞くSegafred Zanettiやilly、そしてもちろんLavazzaの看板も良く見かける。

なので何軒かバールがある場合はLavazzaの看板を掲げているバールを利用するようにしている。それくらい、Lavazzaを愛している。

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