イタリア・ベルティノーロ ~ 魅力ある無冠の町

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ベルティノーロ

イタリアでは「イタリアの最も美しい村々」をはじめ、イタリア観光協会が認定する町「オレンジ・フラッグ」、スローフード推進の町Citta Slow、イタリアオリーブオイル協会認定の町Citta dell’Olio、ワインの里協会認定の町Citta del Vinoなどなど、やたらと町や村に称号をつけたがる。それぞれ美しく、食にこだわり、美味しいワインがあり、それが観光立国イタリアを支えている。
水の都ヴェネチアからアドリア海沿いに南下して少し内陸に入ると、そんな冠など一切ないベルティノーロに辿りつく。ヴェネト州フォルリ=チェゼーナ県の小さな、町というよりは村だ。ヴェネチアからサン・マリノへの移動途中に、このベルティノーロに立ち寄った。

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おもてなしの精神が受け継がれてきた村

ベルティノーロ2

ベルティノーロのウェブサイトには”Tutti i colori dell’ospitalita”と書いてある。単純に訳すと「おもてなしの色のすべて」ということらしいが、この村は古くからこの村を訪れる人全てをもてなしてきたことから、こう言われているらしい。
13世紀頃、村の中心の広場に円柱が建てられ、村人たちは一家で一つ、そこに鉄製の環を打ち付けた。車などない時代、唯一の移動手段だった馬を使ってこの村を訪れた旅人は、馬を休ませるためこの円柱に打ち付けられた環に馬を繋いだ。そして馬がつながれた環の持ち主は、旅人を自分の家に泊めてもてなしたそうだ。
今はそこに馬を繋ぐ人はいないが、旅人をもてなす精神が中世からずっと受け継がれてきたという村だ。
この円柱は20世紀に入って再建された、比較的新しいもので、市庁舎の時計塔の真ん前に建っていた。旅人をもてなすために一家で一つ鉄製の環を打ち付けたという逸話にしては、今は環の数が少ない。こんなに民家の数が少ないわけはないので、おそらく再建された後はその逸話を語り継ぐために打ち付けられた飾りなのだろう。

Albergo La Colonnaから街歩き

ヴェネチアを出る時に降り始めた雨は、ベルティノーロに到着した頃からだんだんと強くなり、村歩きをして少し経つとどしゃ降りになった。仕方がないので役場前にあるバールに入って雨がやむのを待った。普通のバールなのかと思ったらここは村にあるホテル(2つ星)で、ホテルの入口を兼ねていたのがこのバールだった。こんな小さな村だが、ちゃんとした宿泊施設もある。

少し雨が小降りになった。

この村は小さな山に城砦を築いた形だ。車ならともかく、歩いて村を訪れるのはかなり難儀である。ともあれ上のほうまで登れば眺めはよいだろうと思い、市庁舎前から曲がりくねった村の道を登ってみた。ひとつカーブを曲がると、市庁舎の上を通る道に出る。ちょうど見晴らしの良いところが改築中で、ちょっとした広場になっていたので市庁舎の時計塔が見える方角をカメラに収めた。その右手はカテドラル、Chiesa di Santa Caterina D’Alessandriaだ。赤い煉瓦を用いたカテドラルの建物は、雨に濡れてより一層鮮やかな赤になった。

ベルティノーロ3

もう少し登ってみると、カテドラルより小さめの教会が見えてきた。Parrocchia S. Maria Degli Angeli Nella Concatedrale Di Bertinoroというやたらと長い名前の教会らしい。この教会も雨に濡れて美しかった。

ベルティノーロ4
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村の名物「ピアディーナ」

村の外れまで歩こうとしたら、バスを停めてある駐車場に戻ってきた。朝は気が付かなかったが、小さな小屋でなにか販売している。のぞいてみたら、何か簡単なテイクアウトのピザのようだった。

片言のイタリア語で「これはなに?」と聞くと、ひげ面のだんながにこにこして「村の名物のピアディーナさ」といってメニューを見せてくれた。
アメリカンなピザのように、食欲をそそるようなソースを塗っているわけでもなく、単に生地でいろいろな具材を挟んだだけのピザとフォカッチャを合わせたような食べ物だ。
ちょうどお腹が空いていたので、生ハム入りとフォルマッジのピアディーナをもらった。こんな簡単な昼食の時もある。

ピアディーナ1
ピアディーナ2

良く晴れた日に訪れれば、小高い山の上の村だからアドリア海までの素晴らしい眺めが見れたかもしれない。だが、一期一会の村を訪れる時に必ず晴天というわけではない。そんなときにもこの村は、さりげなく旅人を「もてなして」くれる。

ベルティノーロの紹介はこちら。

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