
イタリア フィレンツエ
年の瀬のある日、ふと「来年はイタリア語を習得し、通訳ができるようになろう」と思い立ちました。
観光ガイドとは異なり、ビジネスシーンでも円滑にコミュニケーションを取り、その内容を顧客に正確に伝えるのが通訳です。しかし、自分の現在の語学レベルからいきなり通訳を目指すのは、相当ハードルが高いことも容易に想像できました。
旅行会社に在籍し、添乗員として海外へ出かける機会も多い身としては、英語はもちろん、プラスアルファの語学力が求められます。
特にイタリアを訪問する機会が多いこともあり、たとえ通訳レベルには届かなくても、
「ネイティブのイタリア人と自然に会話ができる」
程度であれば、努力次第で到達できるのではないかと感じました。さらに、その証としてイタリア語の資格を取得できれば理想的です。
検討を重ねた結果、イタリア語習熟度を証明する公式資格試験
シエナ外国人大学が実施する CILS(Certificazione di Italiano come Lingua Straniera)
を目標とすることにしました。
これまで独学・自己流で学んできた筆者が、果たしてCILSの初級レベルに合格できるのか。その過程を不定期で綴っていこうと思います。
同じ目標を持つ方々の参考になれば幸いです。
なぜイタリア語資格を目指すのか?
当社のオーダーメイドプランの一つに、「究極のオーダーメイド旅行 ― 2名から添乗員付き」という商品があります。文字通り、わずか2名でも添乗員が同行する、個人旅行としては極めて手厚いプランです。
一昨年には、おばあさまとお孫さんお二人のためにイタリア・フランスの旅を企画し、実際に同行して実現させました。
当時は現地ガイドを手配しての旅行でしたが、もしイタリア語資格を持つ添乗員が同行すれば、サービスの質はさらに向上するはずです。
観光中は公式ガイドの同行が義務付けられているものの、空港での乗り継ぎ、ホテルのチェックイン、自由行動中、食事の場面など、ガイディング以外の時間においても言語面でのサポートが可能になります。
これまでグループツアー添乗員としてのイタリア渡航は10回以上。個人的な視察も含めれば結構な渡航歴に及びます。自己流ながら、イタリア語に加え、フランスやスペインでも現地の人々とそれなりにコミュニケーションを取ってきたという自負はあります。
しかし、少し踏み込んだ話題になると、イタリア語では対応できず、英語との混在になってしまうのが現実です。
「こんなとき、もっと的確にイタリア語で説明できたら……」
そう感じる場面は少なくありませんでした。
ラテン3カ国の中で最も訪問回数が多く、かつては移住を考えたこともあるイタリア。その言語を自在に使いこなせれば、公私ともに充実するに違いない ーー それが学習の原動力です。
イタリア語資格の種類|CILS・CELI・PLIDAの違い

当初は、5年ほどかけて独学で資格取得を目指そうと考えていました。
若い頃のように言葉が自然に吸収される年齢ではありません。日常会話を正確に運用できるようになるまでには、それなりの時間が必要だろうと見積もったからです。
同時に、「独学ならどの教材を選ぶべきか」「どのアプリが効果的か」という疑問も生じました。
そこでまず、目標とする資格を定めることにしました。
調査の結果、主な資格は以下の4種類です。
- 実用イタリア語検定(国内資格)
- CILS
- CELI
- PLIDA
「実用イタリア語検定」は日本国内向けの資格です。
一方、CILSは前述のシエナ外国人大学が実施する国際資格。 CELIはペルージャ外国人大学実施、 PLIDAはダンテ・アリギエーリ協会実施で、いずれも欧州共通基準CEFRに基づいています。
国際的な証明力を重視するなら、これらイタリア公式資格を選ぶのが自然です。
日本で受験可能なのはCILSとPLIDA。難易度は概ね同程度とされますが、CILSは学術寄り、PLIDAは実務寄りという傾向があるようです。
知名度の高さも考慮し、目標をCILSに定めました。
CILSのレベル構成(CEFR準拠)
CILSのレベルは以下の6段階です。
- A1:基礎
- A2:初級
- B1:中級
- B2:中上級
- C1:上級
- C2:最上級
初挑戦はA1から。 目安は「自己紹介や基本的な質疑応答ができるレベル」で、語彙数は約850語とされています。
当初の目標である「ネイティブと自然に会話できる(B1相当)」には届きませんが、長期目標への第一歩として妥当な水準です。
CILS対策 ― 独学から語学レッスンへ

CILS A1は以下の5科目で構成されます。
- リスニング
- 読解
- 文法
- 作文
- 口頭試験
合格基準は各科目60%以上。
公式サイトの過去問題を確認しましたが、当然ながら全てイタリア語。現状では設問を正確に理解することすら難しい状態でした。
独学だけで突破できるのか。不安がよぎります。
調べるうちに、日本国内試験会場である イタリア文化会館 のサイトにたどり着きました。
そこで指定教材とされていたのが Nuovo Espresso plus 1。
QRコードでマルチメディア教材にアクセスでき、リスニングや口頭対策にも対応可能とのこと。
内容を確認すると、すべてイタリア語ではあるものの、辞書を引きながらなら理解できそうです。
独学で進めるつもりでいたので、AmazonでこのNuovo Espresso plus 1を検索すると、配送に2〜3週間かかることが判明。年明けには韓国旅行も控えており、学習開始が遅れる懸念がありました。
そこで再びイタリア文化会館のサイトを見ると、「初めてのイタリア語」オンライン講座を発見。Zoomによる超初級者向けコースで、CILS A1相当レベルです。
「独学より、体系的に学んだ方が効率的ではないか」
そう考え、年末の慌ただしい時期に翌年1月開始クラスへ申し込みました。
週1回・10週間(約3か月)、受講料32,000円。教材はNuovo Espresso plus 1を特別価格で購入可能。業務にも直結するため、会社経費で受講することにしました。
参考書を探していたはずが、気づけば語学レッスンに申し込んでいた ーー というのが、今回の顛末です。
まとめ|CILS A1への第一歩
現時点での結論はこうです。
CILS A1は独学でも理論上は可能。ただし、口頭試験対策には実践環境が不可欠。
まずは基礎から丁寧に積み上げること。 自己流のイタリア語を、体系的な知識へと再構築すること。
それが今回の挑戦の本質です。
この連載では、
- 学習スケジュール
- オンラインレッスンの感想
- 実際の試験当日の様子
- 合否結果
まで、包み隠さず記録していきます。
次回は、実際に申し込んだオンライン講座の内容と、学習スタート時点での実力チェックについて詳しく書く予定です。
独学レベルからCILS A1合格は可能なのか。 その過程を、ひとつずつ検証していきます。


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