2024年導入予定のヨーロッパ渡航情報認証制度「ETIAS」について

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European Union イメージ

Image by NoName_13 from Pixabay

2024年より、ヨーロッパへ旅行するには、事前にETIAS(EU Travel Information & Authorisation System エティアス、欧州渡航情報認証制度)の申請が必要となりました。

すでに、ネット上ではETIASに関する記事が散見しますが、主にヨーロッパへの旅行を取り扱う会社として、最新の情報をまとめてみました。

現時点(2023年6月現在)ではETIASは「導入予定」であり、今後導入スケジュールや内容が変更になった場合は、随時更新してまいります。また、表記は参照したページからの引用、抜粋をしている箇所があります。

2023.10.27追記
EUは、ETIASの導入を2025年半ばまで延長することを決定しました。現時点で、2024年中の欧州への旅行には、ETIASの申請は不要です。
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ETIASとは?

ETIAS(エティアス)とは、新たにヨーロッパ諸国へ入国する際に必要となる「事前渡航認証システム」です。

ETIAS(エティアス)の正式名称は、”European Travel Information and Authorisation System”と表記します。日本語では「欧州渡航情報認証制度」と訳され、一般的なヨーロッパ諸国への旅行であれば簡単な手続きだけでビザが不要になるという、渡航者にとって便利なシステムです。既にアメリカで導入されているESTA(エスタ)、カナダで導入されているeTA(イータ)と同じ仕組みが、いよいよヨーロッパでも導入されることになりました。

ETIAS(エティアス)は、EU諸国(ETIAS加盟国)への入国を希望する海外からの渡航者に対して審査を行うもので、渡航希望者が安全かつ入国に相応しい人物であるかを、幾つかの質問により判断するものです。EU諸国へ入国する前に、姓名や国籍などの基本的な情報に加え、犯罪歴や戦争地域などへの渡航歴などの情報も審査規定に含まれます。EU諸国への入国に必要なビザを保有していない海外渡航者は、事前にETIAS(エティアス)による電子渡航認証の申請が必須となります。ETIAS(エティアス)申請の際に必要となるパスポート情報は、欧州警察機構(ユーロポール)などによって厳格に照合され慎重な審査が行われます。
(「ETIAS apprication site」より)

ETIASが必要となる対象国は、シェンゲン協定加盟国の以下30カ国(2023年6月現在)。ここに表記のないサンマリノ、モナコ、バチカン、アンドラも対象国ですが、いずれも以下の30カ国を経由して入国することになりますので、対象国には入っていません。

ETIAS対象国

公式サイトより)

今後シェンゲン協定への加盟が予定されているキプロス、ブルガリア、ルーマニアも、対象国となる見込みです。

また、ETIASの申請が必要となる人は、以下59カ国のパスポートを持つ人です(2023年6月現在)。

ETIAS required countries

公式サイトより)

ETIASの導入背景

ETIAS(エティアス)はヨーロッパ各地のテロなどの犯罪を未然に防ぐことなどを目的として、導入が予定されています。2016年の発表時は2020年からの導入を予定していましたが、現時点では2024年に運用開始となる見込みです。
ETIAS(エティアス)導入の背景には難民問題、宗教戦争、民族侮蔑(ヘイト)などが挙げられますが、導入理由の最も大きな理由としては、各地で起こるテロへの脅威を抑止することです。テロ行為を未然に防ぐためには海外からの入国者の情報を早く正確に共有することで、難民の大量流入や外国人による犯罪を抑止する効果が見込めます。ETIAS(エティアス)の導入により外国人渡航者はEU諸国へ入国する前に事前審査が必要となりますが、審査を行うことでビザ免除国である入国者の審査を容易にすることにも繋がります。そして、違法行為やテロ行為を目的としてヨーロッパ諸国や第三国へ渡航しようとする人物に対し、未然に入国拒否の措置を取ることが可能となります。
(「ETIAS apprication site」より)

公式サイトらしきウェブサイトが乱立!申請サイトはどれ?

「ETIAS」で検索すると、公式サイトらしきウェブサイトが乱立しています。誤って違うサイトで申請を行うと、申請料以外の費用を請求されたりするので、ご注意を。

現時点では、公式サイトでも申請ページはできていません。

こちらが公式サイト(英語)です。
The official ETIAS website by European Union
https://travel-europe.europa.eu/etias_en

「ETIAS apprication site」は、公式サイトをもとにした日本語版公式サイト。申請・ステイタス確認ができる予定です。
https://etias-web.com/

「ETIASOfficial」は、公式ではない民間機関のサイトです。いかにも公式サイトのようですが、ここで申請してしまうと、サービス料を含む金額を請求されます。
https://www.etiasofficial.org/ja/

EUが運営する情報サイト。ITにうるさい欧州のサイトにも関わらず、URLがセキュア(https:〜)でないのが怪しいのですが、偽サイトではないようです。今のところ、情報のみで申請ページはありません。
http://etias-euvisa.com/

日本での民間情報提供サイト。公式ではありませんが、忠実に正確な情報を掲載していますので、情報収集に良いページです。
https://www.etias.co.jp/

これ以外にも、申請代行会社のサイトなどがかなりあります。正式な申請フォームはまだ閲覧できませんが、おそらくESTAやeTAのような、正確に入力さえすれば5〜6分で申請完了できるフォームだと想定ます。

ただし、何らかの理由でご自身で申請できない人は、以下のビザ申請代行会社に依頼するのも良いでしょう。すでにESTAやeTAなどの電子渡航認証の申請実績があります。申請料のほかに手数料がかかりますので、ご理解の上ご利用ください。

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ETIASの申請方法

ETIASは、今後正式導入となったら、公式サイトより申請ができるようになります。現時点では申請フォームはありません。

申請の際の渡航目的

  • 90日以内の一般的な観光
  • 短期のビジネス
  • 目的地に向かうための乗り継ぎ、乗り換え

申請に必要なもの

  • 有効期間が3ヶ月以上10年未満の、ICチップ付き・機械読み取り式パスポート
  • オンライン申請が可能な環境(パソコンまたはスマートフォン、タブレット)
    ※スムーズな送受信が可能なメールアドレスの登録が必要
  • 申請料金を支払うクレジットカード
    VISA、Master Card、JCB、Diners、American Express、また、Paypalアカウントでの決済も可能です。

申請料金

18歳〜69歳は7ユーロ。
それ以外の年齢の方は無料ですが、申請は必要です。また、EU市民やEU域内を自由に移動する権利を持つ非EU国籍者の家族も免除されます。

申請者名とクレジットカード名義人が異なっていても、審査に問題はありません。クレジットカードをお持ちでない方は、代理の方に同意を得た上でクレジットカードのご利用をお願いします。

認証までの所要時間

申請後、ETIAS(エティアス)に加盟する国への渡航が認められた場合は「渡航認証許可」の通知がEメールにて届きます。オンラインのため、ほとんどの人は数分以内、遅くとも96時間以内に処理されます。
ただし、一部の申請者は追加の情報や書類の提供、または国家当局との面接への参加を求められる場合があり、さらに最大 30 日かかる場合があります。
旅行予定を確定させる前に申請することを強く勧めています。

申請内容(2023年6月現在)

申請者情報

氏名、性別、生年月日、国籍など申請者に関する基本的な情報

パスポート情報

申請者が所持しているパスポートに記載されているパスポート番号、発効日、有効期限、他国のパスポート所持などの情報

連絡先情報

現在お住まいのご住所、出身地、Eメールアドレス、緊急連絡先などの情報

その他質問

最初に入国する国、滞在先、就労に関する情報など
ETIAS(エティアス)を利用してEU圏内へ渡航する場合、最初に入国した国にて入国審査が行われます。次のEU圏内の国へ入国する際、入国審査は行われません。

適格性の質問

伝染病や疾患、犯罪歴、戦争地域国への渡航歴、過去のオーバーステイの有無など10項目ほどの質問

決済に関する情報

申請費用の決済に使用するクレジットカード番号、有効期限などに関する情報

重要
ETIAS(エティアス)申請の際、申請者情報とパスポート情報の入力は非常に重要となります。全て英語(ローマ字)にて入力する必要がありますので慎重な入力を心がけましょう。万が一、間違えて登録をしてしまった際は再申請が必要となる場合がありますのでご注意ください。
適格性に関する約10項目の質問で1つでも「はい」の該当がある方は、ETIAS(エティアス)を利用してのEU渡航が認められないことが予想されます。申請の結果、「渡航認証拒否」と通知された方は目的に応じたビザの申請をご検討ください。

(「申請内容」以下公式サイトおよび「ETIAS apprication site」より)

イギリスは「ETA UK」を2025年導入予定

シェンゲン協定加盟国ではないイギリスでも、ETIASとほぼ同様のシステム「ETA UK」を、2025年を目標に導入予定です。

2年先のことなので、今後変更になる場合があります。

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