当社取扱いの海外乗馬ツアーは、フランスに本社を置く乗馬ツアー会社が世界中のクラブと提携して案内する乗馬プログラムです。
そのため、各コースへの参加条件となる乗馬レベルは、フランス馬術連盟が公式に定めている、フランス全国共通の段階制ライセンスである乗馬技能認定制度「ギャロップ制度(Galops du Cavalier)」を基準としています。
この記事では、FFEギャロップ制度におけるプログラム内容「ギャロップ公式プログラム(Programme Officiel Galops Cavalier)」に基づいて、それぞれのレベルが「初心者」「中級者」「上級者」のどこにあたるか説明します。
もちろん、フランス以外の国でもその国ごとの乗馬レベル制度があると思いますが、自分の乗馬レベルが希望コースに合っているかどうかの参考にしてください。
”注)フランス語翻訳に、ChatGPTを使用しています“
ギャロップ制度(Galops du Cavalier)の概要
「Galops du Cavalier」は、フランス馬術連盟(FFE: Fédération Française d’Équitation)が定めている、騎乗者の技量・知識レベルを段階的に示す公式資格・習熟度指標です。
日本でいう「乗馬ライセンス」や「級」に近い位置づけですが、内容はより体系的で、フランス国内の乗馬クラブや競技会参加において正式な基準として扱われます。
Galops du Cavalierは何を評価する制度?
騎乗者について、下記の能力を総合的に評価します:
- 騎乗技術:歩法(常歩・速歩・駈歩)のコントロール、バランス、誘導、障害・馬場などの実技能力
- 馬の知識:馬体、馬の行動・心理、装具、飼育管理に関する理解
- 安全とマナー:騎乗前後の馬の取り扱い、安全に乗馬を行うための判断能力
FFEが重視する考え方
FFEのコンセプト、
Chaque Galop valide l’autonomie, la connaissance et la responsabilité du cavalier.
(各ギャロップは、騎手の自立・知識・責任感を評価する。)
とあるように、FFEの公式プログラムでは、各Galopは単なる「技術の段階」ではなく、「自立と理解の段階」でもあります。
このコンセプトに基づく各レベルは、以下の通りです:
Galop 1〜2:指導のもとで安全に扱える
Galop 3〜5:自分で馬を準備し、安全に騎乗できる
Galop 6〜7:馬を理解し、訓練・調整・競技に対応できる
具体的レベル構成
では、具体的にどのようにレベル分けされているかというと、以下の通りになります。
Galop 1:「初心者」基本的な馬装・手入れ、常歩・速歩の制御
Galop 2:「初級」駈歩、簡単な図形運動、馬体知識基礎
Galop 3:「初中級」屋外騎乗、単発の小障害、馬の手入れ自立
Galop 4:「中級」馬場の基礎図形、障害コース(〜70cm程度)
Galop 5:「中上級」バランス配分、より安定した障害・馬場技術
Galop 6:「上級」姿勢保持・馬の矯正への理解・高度な図形
Galop 7:「競技レベル」公認競技で通用する騎乗技術と理論知識
※ さらに分野別(Dressage, CSO, Cross…)の専門項目もあります。
これを日本のレベル感に置き換えると…
| FFEレベル | 日本の感覚(目安) | 備考 |
| Galop 1 | 体験乗馬〜初級A | 速歩の練習が始まる |
| Galop 2 | 初級B | 軽速歩でバランスをとる |
| Galop 3 | 駈歩の導入 | 馬場運動の形を覚える |
| Galop 4 | 基礎的なコース走行 | 中級ライダー |
| Galop 5 | クラブ大会参加レベル | 実戦的な技術 |
| Galop 6〜7 | 全国・国際競技レベル | 指導者・競技者向け |
となり、これらを簡潔にまとめると、
| 区分 | Galopレベル | 内容 |
| 初心者 | Galop 1–2 | 馬に慣れる、基本操作を覚える。 |
| 中級者 | Galop 3–5 | 駈歩・障害・姿勢を安定させる。 |
| 上級者 | Galop 6–7 | 馬の調整・競技レベルの騎乗。 |
ということになります。
ギャロップ公式プログラム(Programme Officiel Galops Cavalier)
ギャロップ制度(Galops du Cavalier)におけるライセンス取得のための実践プログラムが、ギャロップ公式プログラム(Programme Officiel Galops Cavalier)です。
各レベルのライセンス取得のために何ができ、理解しているかが具体的に書かれています。
このプログラムでは、各レベルにおいて 「Module Commun A」と「Module Commun B」という共通モジュール(全ての Galop に共通する知識・技能分野)が定められています。
以下に、それぞれのモジュールの概要を整理します。
Module Commun(共通項目) A
主に実技/ケア・取り扱いに関する内容。
例として、Galop 1 のプログラムでは:「馬を横に立たせる」「既知の直線・曲線を交えたトレイルを歩かせる」「馬房での接し方・粗手入れ」などが含まれています。
各レベルにおいて「馬の取り扱い方」「手綱・脚の動かし方」「馬房・道具の管理」などがこのモジュールで習得される技能となっています。
Module Commun(共通項目) B
主に知識に関する内容。馬の構造・行動・衛生・栄養・安全など理論的な学び。
例として、Galop 3 のプログラムでは:「馬の群れ構造・本能」「馬の外部構造・蹄の部分」「歩様の仕組み」などがこのモジュールに含まれています。
安全規則や衛生・栄養・識別といった、騎乗以外でも重要な知識分野がこのモジュールで扱われます。
詳細は、FFEが発行している「PROGRAMME_OFFICIEL_GALOPS_CAVALIER_1a7_SYNTHETIQUE」(和訳、本文)をご覧ください。
その他参考となるライセンス制度
FFE同様、英国のBHS(British Horse Society)が定めるBHS Stagesというライセンス制度があります。 こちらは全てウェブページにて閲覧することができるので、ブラウザーの翻訳機能を利用してご覧ください。
当社取扱乗馬ツアーで、具体的にFFE相当のレベルを要求されるコースは、以下の通りです。詳細は、各コースのサンプル日程に記載した乗馬レベルをご参照ください。
- フランス:アリエ古城6日
- スペイン:アンダルシア、ドレッサージュレッスン7、8日
これ以外でも、乗馬技術に関するレベルのほか、耐久力や、乗馬ガイドと迅速かつ的確に意思疎通を行える語学レベルなど、コースによりさまざまなレベルが求められます。 以下の記事も参考にしてみてください。



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