私が訪れたイタリアの美しい村々 - ガレッシオ ピエモンテ州

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筆者自身が添乗員として実際に訪れた美しい村を紹介する第2回目はピエモンテ州クーネオ県ガレッシオ。なぜここが美しい村に登録され続けているのか、という疑問を持ちつつ訪れた村だ。
    この記事の目次
  1. ここは美しい村なのか?
  2. Hotel Giardino
  3. Borgo Maggiore(Borgo Medievale - 中世の村)
  4. 美しい村ガレッシオ

ここは美しい村なのか?

夕暮れの車窓から見えるのは何の変哲もないイタリアの小さな村。いや、それさえも語弊がある。今まで自分の目で見てきた限り、例え通りすがりの無名の町や村でも「イタリア」といった色合いや特色があったと思う。そのなかでも美しい村に登録された村は顕著な特徴があり、その景観や周りの自然との調和により特筆すべきところばかりだった。
ところが初めて訪れるガレッシオが近づくにつれ車窓から見えるのはイタリアらしくもなく、またヨーロッパの町並みの中でも陳腐なほうというべき普通の村、それもさびれた感じが強かったからだ。正直なところ、ここを美しい村として選んだことに失望感がじわじわ膨れ上がり、それでもどこか美しい村の登録理由があるかもしれない、というかすかな望みをもちつつホテルへと向かった。
ようやく車はホテルに到着。あいにく、ホテルの周りも人通りもなくさびしい限りだ。明日のガレッシオロケハンが思いやられそうだ。

絵を描くお客様にご案内するため美しい村シリーズとしてツアーを造成し、自ら添乗員として案内してきた。時にはお客様の意向やモチーフに合わない町や村があったりする。その時は最悪だ。移動途中に立ち寄ったところならそのまま次の宿泊地まで早目に移動すればいい。しかしじっくりスケッチするために宿泊は3泊以上としているツアーで”はずれ”の村や町に連泊するときほど肩身の狭い思いをすることはない。どうにかモチーフに合うところを探しては案内するが、それでも良い絵を描きたいと思ってツアーに参加したお客様の機嫌はなかなかよくならない。今回もそんな村を選んでしまった、という思いだ。

ホテルに入りチェックインの手続きをする。いつも通り部屋割りを確認し、部屋番号一覧と全室の鍵を貰ってお客様に配る。その時食事の際のレストランの場所を確認し、部屋から部屋への電話のかけ方、外線電話のかけ方を確認する。すると電話機はないという。国際電話可能な携帯電話が普及しているからさほど問題ないかもしれないが、お客様の中にはそのような携帯電話を持っていない人もいる。万が一の緊急連絡はどうすればよいのか?そんな余計な心配でまた気落ちするほど、ここまでなにも良いところはない。

Hotel Giardino

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ホテルオーナーはほぼ一人で仕事をしている、というか他のスタッフを見たことがない。今回もほぼツアーのお客様で貸切状態だ。こんなとき日本人は「いざというときどうするのか?」とすぐ考えがちだが、ここはイタリア。お客様が満足してもらえればよいという発想らしい。
初日の夕食時、オーナーはテーブルにつきっきりだ。聞くところによると同じクーネオ県のアルバに近いこともあってトリュフが名産なのだという。夕食はトリュフの香りを楽しめるメニューになっていた。前菜に生ハムとメロン、セコンドはラザニア、メインはナスの付け合せとウサギ肉。テーブルに赤ワインをいくつか頼んで、オーナーはひとりひとりメインの皿の上にトリュフオイルをかけてまわる。そしてさも「今日の料理にピッタリだろう?」とでも言わんばかりの、満面の笑みだ。

どうやらチェックイン時に不満顔だった筆者の様子を気にして、出来る限りのもてなしをしようとしてくれているのかもしれない。とすれば、例えメインの目的がうまく達成できずとも何か収穫があるのではないか?そう思いつつ、初日を終えた。

Borgo Maggiore(Borgo Medievale - 中世の村)

翌日は終日ロケハンだ。まずはホテルオーナーに聞いて、旧市街と言える地区への道のりを聞いた。ホテル前の1本道を進めばすぐに旧市街だという。そこが「美しい村」なのかもしれない、という期待を持って進んでみる。
入口に中世の門番が立っていそうな建物(Porta Rose)、そこが入口らしい。その横におなじみの「美しい村」の看板と中世の絵画のような案内図があった。観光立国であるイタリアはどんなに小さな村でも、その村の案内図がある。あるところでは銅板の案内図だったり、またあるところではここガレッシオのようにアーティスティックなものだったり。

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とにかく案内図の通りに進んでみる。城壁の名残に沿って年季が入った石畳を道なりに歩くと、いくつか教会が見える。そして城壁の角に張り出して作られた見張り台のような建物。その向こうには石造りの門がある。なるほど、ガレッシオの美しい村たるゆえんは、言葉通り中世をそのまま現代に引き継いだような村の保存状態なのかもしれない。
そのまま道なりに進むと、小さな川の向こうにロマネスク・ゴシックスタイルの古い教会が見えてきた。サンタ・マリア教会という13世紀のものらしい。そして次に見えてきたのがひときわ大きな赤レンガ色の美しい教会、マリア・ヴェルジネ・アッスンタ教会。

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それにしても旧市街も人っ子一人いない。そのうち空模様が怪しくなり、雨が降ってきた。出発前に現地手配会社担当から、この時期のガレッシオは雨が多く寒暖の差が激しい、と聞いていたがその通りだった。抱えている仕事もあり、ホテルに戻った。

美しい村ガレッシオ

最終日はホテルオーナーから聞いた丘の上に建つ教会へ車で向かう。そこに建つのは「ヴァソルダの聖地」と言われる祈祷堂。なんでも目も見えず耳も聞こえない少女が完治する奇跡が起こったことから、今でもたくさんの巡礼者が訪れるそうだ(出典:吉村和敏著「イタリアの最も美しい村全踏破の旅」)。
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そこから見下ろすガレッシオは、素朴な山間の村だった。朝靄が向こう正面の山々にかかり、こちらの丘との間にひっそりと村が広がっている。聞くところによるとここは巡礼とテルメとスキーリゾートの村らしい。なるほど、村のあちこちに湧き出る鉱泉をひねることが出来る水道が設置されている。またガレッシオのミネラルウォーターというのもイタリアではポピュラーらしい。

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そして冬にはきっと多くのスキー客がこの村を訪れるのだろう。秋はその準備のシーズンだ。

前日ホテルにここの村長がやってきた。何でも日本人がこの村に、それも団体で来るのは初めてらしい。夕食時に表敬訪問の形で訪れ、様々な資料を持ってきた。その中に「Garessio Ieri e Oggi」という本があった。イタリア語で何が書いているのか読むには苦労するが、中の写真を見る限りでは文字通りガレッシオの歴史を1冊の本にまとめたものらしい。きっとガレッシオという村をもっと知ってほしいということなのだろう。
出だしからつまづいたホテルの対応も、この村長の表敬訪問も、初めて見る日本人を一生懸命もてなそうとしてくれているのだと思うと、それも素朴なイタリアの村、美しい村の要因のひとつなのかもしれない。

いくつか写真をアップしてあるので、興味のある人はこの村を訪れてみてほしい。そして第一印象に惑わされることなく、のんびりとガレッシオを歩き回ってみてほしい。
ガレッシオのフォトギャラリーは以下から。

訪れたイタリアの風景1 |イタリア フォトギャラリー1 有限会社フライト
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