いつかサンティアゴ巡礼へ行くための情報をまとめてみた

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サンティアゴ巡礼

漠然とサンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼といっても、まだ歩いたことがない者にとっては、何もわからない。

巡礼ルートは多数あり、さらには巡礼の手段、ある程度の決まりごとがあるようだ。

それをひとつひとつクリアして、いつかこの道を歩くための準備を進める。

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巡礼ルート

サンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼ルートは、よく知られているものでスペイン・ポルトガル内に全12ルート、フランス内に4ルートある。

さらに、ここに列挙した以外にもスペイン国内をはじめ、ヨーロッパ各地からサンティアゴ・デ・コンポステラを目指す巡礼ルートもある。

また、名称も多少違うようだ。ここに記載の名称は、様々な巡礼路に関するサイトを調べ、それらを総合して記載したものである。

スペイン・ポルトガルルート

  • フランスの道(Camino Frances、サン=ジャン=ピエ=ド=ポル発、764km、約33日)
  • ポルトガルの道(Camino Portugues、リスボン発、620km、約25日)
  • 北の道(Camino del Norte、イルン発、824km、約34日)
  • プリミティボの道(Camino Primitivo、オビエド発、313km、約14日)
  • イギリスの道(Camino Ingles、フェロール/コルーニャ発、119km、約6日)
  • ポルトガル海岸の道(Camino Portugues Por la Costa、ポルト発、304km、約13日)
  • 巡礼の最終章:フィステーラ-ムシア(Camino de Finisterre & Muxia、サンティアゴ・デ・コンポステラ発、90km、約4日)
  • 冬の道(Camino de Invierno、ポンフェラーダ発、263km、約10日)
  • サナブレスの道(Camino Sanabres、グランハ・デ・ラ・モレルエラ発、369km、約13日)
  • 銀の道(Via de la Plata、セビリア発、960km、約38日)
  • アラゴンの道(Camino Aragones、ソンポール発、205km、約6日)
  • バスクの道(Camino Vasco del Interior、イルン発、252km、約12日)

フランス・ルート

  • ル・ピュイの道(729km、ル・ピュイ〜オスタバ=アスム、約32日)
  • パリ・トゥールの道(945km、パリ〜〜トゥール〜〜オスタバ=アスム、約40日)
  • リモージュの道(897km、ヴェズレー〜リモージュ〜オスタバ=アスム、約39日)
  • トゥールーズの道(767km、アルル〜トゥールーズ〜オロロン・サント・マリー、約34日)

(注)トゥールーズの道以外のルートは、オスタバ=アスムからサン=ジャン=ピエ=ド=ポルへ入り、スペイン内「フランス人の道」へ続く。トゥールーズの道は、オロロン・サント・マリーからイルンへ入り、スペイン内「バスクの道」または「北の道」へ続く。

一般的に知られている巡礼ルートは、スペインとの国境近く、サン=ジャン=ピエ=ド=ポルからサンティアゴ・デ・コンポステラまでの「フランスの道」だろう。ユネスコの世界文化遺産にも登録されているルートだ。途中、荘厳な大聖堂や教会があるので景色を眺めながら歩くことができ、アルベルゲや巡礼者をサポートする各種サービスも充実しているルートである。

フランス国内ルートでは、ル・ピュイ=アン=ヴレからサン=ジャン=ピエ=ド=ポルまでの「ル・ピュイの道」が最も有名だ。このルートもユネスコの世界文化遺産に登録されている。

Conques

「ル・ピュイの道」の宿場町 コンク

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ル・ピュイ=アン=ヴレについて

「ル・ピュイの道」は、ポディエンシス街道とも呼ばれ、ル・ピュイはその出発点となっている。12世紀頃に書かれたサンティアゴ巡礼のガイド、カリクトゥス写本にもル・ピュイの記載があるが、そこには出発点とは書かれていない。

しかし、ル・ピュイは聖母マリア崇敬の町とされており、ヨーロッパ各地からサンティアゴを目指す巡礼者たちは、ポディエンシス街道の名を与えた聖母マリアの聖地から巡礼を始めると書かれていたのだそう。だから、ル・ピュイは巡礼者にとって重要な町なのだという。

町の中心にあるノートルダム大聖堂では、毎朝巡礼者を祝福するミサがあり、このミサに出席してから出発するのが習わしとされている。

巡礼のシンボル

巡礼者のほとんどは、バックパックに帆立の貝殻をつけている。これは、サンティアゴ巡礼のシンボルだからだ。では、なぜ巡礼者は帆立貝をつけて巡礼するのか?

理由は簡単だ。

サンティアゴ・デ・コンポステラの大聖堂に祀られている聖ヤコブのシンボルだからだ。そして、16世紀頃から、ル・ピュイのサント・クレール教会にて巡礼者用のメダルを製造販売し、そこにホタテ貝の装飾があったことからもきている。

また、ホタテ貝以外に、ひょうたんをぶら下げている人もいる。ひょうたんは丈夫で耐病性があることから、古代から水を運ぶものとして使われてきた。巡礼者はこれを水筒がわりに使っていたそうだ。

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巡礼の方法

古代から巡礼といえば、徒歩でサンティアゴ・デ・コンポステラを目指すことを指していた。

しかし、現代では徒歩以外に自転車や乗馬でめぐる方法もある。

巡礼を証明するため、徒歩の場合サンティアゴまでの最後の100kmを、自転車で最後の200kmを移動しなければならない。乗馬の場合は徒歩と同じ最後の100kmだ。

乗馬の場合は注意が必要だ。宿泊施設に馬を休ませるスペースやサービスが完備していないと、宿泊できないことがあるからだ。

昨今では、宿泊とラゲッジ・トランスファー・サービスをセットにしたパッケージツアーもある。自分でアルベルゲを予約しながら進むのではなく、旅行会社による宿泊手配と小さなデイ・パックだけで歩くことができるため、海外では利用する人も多い。

巡礼手帳「クレデンシャル」と巡礼証明書「コンポステーラ」

巡礼手帳「クレデンシャル」は、巡礼中常に携帯し、巡礼者であることを証明する唯一の書類。カミーノ・パスポートとも言われる。途中途中でスタンプを押してもらい、巡礼ルートを歩いた証明となる。これを持っていることによって、巡礼者用の宿泊施設アルベルゲに宿泊でき、巡礼証明書「コンポステーラ」を発行してもらう証明となる。いわば、壮大なスタンプラリーのようなものと言える。

クレデンシャルは、各出発地にあるサンティアゴ巡礼のオフィスや教会、アルベルゲで発行してもらうことができ、費用は2ユーロ程度だ。

巡礼証明書「コンポステーラ」は、サンティアゴ・デ・コンポステラ到着後、大聖堂で発行される巡礼証明書。サンティアゴ・デ・コンポステラまでの最後の100kmを徒歩で、200kmを自転車で巡礼したことを証明する。

クレデンシャルとコンポステーラの両方を取得して初めて、巡礼路を歩いたことが証明されるのだ。

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