ベルカステル|私が訪れたフランスの最も美しい村々|画像とともに

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ベルカステル1

筆者自身が添乗員として実際に訪れた、フランスの美しい村を紹介する第3回目は、ミディ=ピレネー地域圏、アヴェロン県のベルカステルだ。

Google Mapで「Belcastel」を検索すると、少なくとも3つのベルカステルが存在することがわかる。

実際訪れた時にも、ドライバーが間違えそうになったくらいなので注意が必要だ(詳しくは当社ウェブサイト「ミディ・ピレネー2」参照)。

美しい村々に登録されているベルカステルは、アヴェロン県にあるベルカステルである。

近年、「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」に選ばれ、こんな小さなフランスの村がいきなり脚光を浴びているようだ。

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何故ベルカステルはフランスの美しい村に選ばれたか?

ベルカステルは、サンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼路、ル・ピュイの道における関所のような役割を担い、そこで徴収する交通税で栄えた村。

しかしながら、16世紀の宗教戦争によって村は壊滅状態に。

そのまま廃墟となってしまったのだが、1970年代になって、建築家Fernand Pouillonによって、城や周辺の家々が修復され、今に至っている。

そういった意味では、「イタリアの美しい村々」に登録されているイタリア・リグーリア州のカステルビアンコも同じだ。

美しい村々の登録条件は、厳密には筆者自身まだ完全に理解できていない。

公式サイトには、3つの事前選択基準と27の評価基準、合計30の評価基準をクリアすることが条件と書かれている。

興味がある人は、フランス語だが翻訳しながら読んでみてほしい。Topページのフッター部分に、「Devenir l’un des PBVF」という項目があるので、そこをクリックすると、評価基準について詳しく書いてある。

しかしながら、中世からずっとその姿を保存し続けてきた他の村々と比べると、一度廃墟になりながら、20世紀後半になって修復された村が、美しい村に登録されることが、個人的には疑問だった。

確かに、牧歌的なベルカステルの、フランスの原風景的な様子を考えると、美しいとは思う。

だが、それだけなら、同じくフランスの美しい村々に登録されているオートワールの方が、より牧歌的だし、たとえ美しい村に登録されていなくても、このような風景の村はフランスの至る所にある。

ましてや、冒頭で紹介した「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」に掲載されているベルカステルの写真が、城からみたベルカステルの様子で、こちらの基準にも甚だ疑問が残る。

しかし、登録を抹消されることもある中で、いまだに美しい村であり続けるベルカステルには、やはり魅力があるのだろう。

あまりに、美しい村ばかり固執して訪れている筆者の感覚が、ただ麻痺しているだけなのかもしれない。

ベルカステル城と眼鏡橋

何はともあれ、さっそく訪れた時同様に進んでみよう。

ベルカステルの駐車場に到着したときから、すでに道の向こうにベルカステル城が見える。

緑鮮やかな街路樹と、その横を流れるアヴェロン川の川岸にも、美しい緑の草地が広がっている。

ベルカステルは、緑豊かな村だ。

ベルカステル2

城までの一本道を進むと、既にそこは村の中心地。本当に小さな村だ。

左手には、岩の上に建設された見上げるほどのベルカステル城、そして右手には、石造りの眼鏡橋がある。

この城は、9世紀に建てられ、ほぼ1000年の歴史がある。

眼鏡橋も石の状態から、同じころに造られたものだろう。橋の中央には同じく石造りの十字架が経っている。

ベルカステル3

一度廃墟になったとはいえ、石造りの建物は頑丈で、建物自体はそのまま残っていたのかもしれない。だから、修復されてもかつての姿をとどめることが出来たのではないだろうか。

眼鏡橋を渡って、向こう岸へ渡ってみる。

川岸の草地はそのまま広がり、キャンプサイトとなっている。

ちょうど橋を渡りきったところに、1軒の教会がある。サント・マドレーヌ教会、15世紀の建物だ。現在は、村のタウンホールも兼ねている。

ベルカステル4

教会前で振り返ると、眼鏡橋とその奥のベルカステル城の両方がよく見える。

ベルカステル5

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ル・ピュイの道の宿場町ベルカステル

城と眼鏡橋、そして教会、これだけしかベルカステルを語る要素はない。

しかしながら、ツール・ド・フランスのための練習をしているツーリングの一群や巡礼姿の人など、ベルカステルを訪れる人は意外にも多い。

キャンプサイトもあって、サマーシーズンには多くの人が訪れるのだろう。

ベルカステル6

橋のたもとには、石造りの家を改装したようなツーリストオフィスがあり、そしてこの村唯一の3つ星ホテル、Hotel du Vieux Pontがある。

ベルカステル8

その他、Giteと呼ばれるゲストハウスが何軒かあるが、観光化しているというほどではなく、また土産物屋が溢れるような、俗世間的な雰囲気はない。

あくまで、巡礼のための静かな宿場町という佇まいだ。

ベルカステル7

建築家が修復を手掛けるなど、きっとベルカステルの存在価値は、フランスでもかなり重要なものなのだろう。

だから、修復後も絶えず人々が、その緑豊かな谷間の村の美しさに導かれて訪れるのだ。

おそらく、これが美しい村々に登録されている根拠なのかもしれない。

ベルカステル9

残念ながら、公共の交通機関を利用して、ベルカステルを訪れることは出来ない。

ル・ピュイの道は、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステラまで、総距離約1500キロの厳しい巡礼路だ。

その途中にある宿場町は、やすやすとバスや電車に乗って訪れることができてはいけないのかもしれない。

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