コンク|私が訪れたフランスの最も美しい村々

France

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筆者自身が、添乗員として実際に訪れたフランスの美しい村を紹介する第4回目は、ミディ=ピレネー地域圏、アヴェロン県のコンクだ。

フランスの美しい村々を語るにあたり、このコンクとサン=シル=ラポピー(ミディ=ピレネー地域圏、ロット県)を外すことは出来ないほど重要な村。

どちらもミディ=ピレネーにあり、美しい村の双璧ともいわれる村だ。

サン・シル・ラポピーについては、いろいろ話すべきことがあるので後程紹介するとして、まずはコンクから。

ここは、数々の書籍やウェブで多くの人が書いているので、今さら特筆することはない。

最近では映画「美女と野獣」で主人公ベルが住む村のモデルとなったことで、改めて認知度が高まったと思う。

村の形がホタテの形に似ているといわれているが、私はさほどそうは思わない(Google Mapで確かめてみるといい)。

村のあちこちにホタテの印があるのは、この村がサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路、ル・ピュイの道の中で、重要な宿場町だったからだ。

サン・ヤコブ(英語でホタテの意味)の象徴がホタテだったことに起因し、コンクに限らず、宿場町ではどこでもホタテ貝の印を見ることができる。

交通至難な村

ベルカステルを紹介した際にも書いた通り、この辺一帯は鉄道はもちろんバスルートもままならない、交通至難な陸の孤島だ。

おまけに、小さな村であるが故、グループサイズで宿泊できる施設もなく、ツアーでは最寄りのフィジャックに滞在しながら、日帰りで訪れた。

途中の山道は、十分に速度を落として通行しないと対向車と行きかうことが出来ず、また崖に作られた道が多いため、自然とゆっくりとした速度になる。

フィジャックから40~50分と予測していたが、この道路のおかげで少し余計に時間がかかった。

山をいくつか超えた先にコンクが見えてきた。

フランス領レ・ユニオン出身のドライバー、ジョージは、

「コンクはここから眺めるのが一番いいよ」

といって、村の入口へは行かずに村の背にあたる山肌の細い道へとバスを進めた。コンクは後ろに山、前にはウシュ川を望む、山の中腹に位置している。

バスを止めたところで、対向車に気を付けながら降車し、木々の間から崖下を覗くと、コンクの村が一望できた。

まだ朝早い日差しで逆光のため、建物の壁は黒ずんで見えるが、なるほどコンク全体がよく見える。

ここまで歩いてくるのは大変だっただろう、先に連れてきてくれたジョージに感謝だ。

コンクを歩いてみる

村の一望できる場所から再度バスに乗り込み、曲がりくねった道を下へと降りていく。

そして、村の東側にあたる入口でバスを降りた。

すでに村の中心に建つ、サント・フォワ修道院教会の尖塔が、目に飛び込んでくる。

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ここから、村の中心を通る一本道に沿って歩いてみる。

右手に上がっていく細い道の入口には観光案内所、その左がサント・フォワ修道院教会だ。

まずはこの道を登ってみよう。

途中、石組みのアーチをくぐり、登り坂を進むと少しコンクの全景を望むことが出来る。

最初にバスで訪れた、細い道から見た全景ほどではないが、全ての建物がより近く見える。

家々の屋根はうろこ状の瓦で覆われ、それぞれの家は木組みの間を切り出した石で埋めていく、フランスによくある家壁だ。

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これ以上の光景は望めないので、歩いてきた道を引き返して教会へと進んだ。

サント・フォワ修道院教会は、4世紀にわずか12歳で殉職した聖フォワを祀っている教会だ。

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教会のタンパンは「最後の晩餐」を表わしていて、ブルゴーニュ、ヴェズレーのサント・マドレーヌ聖堂のタンパン、オータンのサン・ラザール大聖堂のタンパンと並ぶ、中世彫刻の最高傑作のひとつと言われている。

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教会の建物はロマネスク様式、シャルトルの大聖堂のような尖塔と比べると、とても堅牢な感じだ。

教会の裏手に回ると中庭があり、その奥に墓地が広がっている。墓地の外側から修道院全体を、まるで城壁のような石壁が囲んでいる。

巡礼のための宿場町

教会前のカーブした道のちょうど角、教会を見上げるように建っている小さなオーベルジュがある。

その名も「St.Jacques」だ。

ここが、もう少し大人数を収容できる宿泊施設なら、迷わず予約したであろう、最高のロケーションだ。

けれども、ここの宿泊施設はどこも巡礼者のための宿、ただの観光客が大挙して押し寄せて、満室にするような迷惑をかけてはいけないのだ。

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そのオーベルジュを背にして、西側へ歩いてみた。

途中まで来て振り返ると、今度はサント・フォワ修道院教会を中心にした、コンクの全景を見ることが出来た。

観光案内所から教会、そしてオーベルジュあたりまでがこの村の目抜き通りで、お土産屋やレストランが数軒軒を連ねている。

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村を散策していると、背中にホタテの貝殻をリュックにぶら下げている人達がいた。

巡礼者だ。

ここから、はるか千キロ以上先のサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指して、ひたすら旅を続けるのだろう。

そういえば、ヴェズレーでも同じような人たちに出会った。聖地巡礼は、四国88か所巡りとは似て非なるもの。

無宗教の自分にはわからないが、ひたすら自身の信じる宗教と向き合うため巡礼する人たちが、とても崇高に見え、せめて邪魔をしないように村を訪れたいものと感じた。

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